ハラールエキスポジャパン2017で最新ムスリムフレンドリーグルメを学んできました

勤労感謝の日の東京は午後から天気も回復して行楽日和となりました。私はというと地下鉄を乗り継いで浅草へ。目的地は国内外からの観光客でごった返す浅草寺ではなく、東京都立産業貿易センター台東館。

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11月21日〜23日にハラールエキスポジャパン2017が開催されるということで、見学しに行ってきました。

ハラールって?

ハラールエキスポについてお話する前に、ハラールの基本的な考え方と日本国内のハラール事情について少しご紹介。

ハラールとハラーム

イスラーム教では、唯一神アッラーの教えに基づく規範に従って日々行動することが信仰の実践であるとされています。ハラールとはものや行動が「合法」であることを意味し、ムスリム(イスラーム教徒)の生活に深く関わる考え方のこと。

反対に、イスラーム教において「禁じられるもの」をハラームと言い、忌避される対象になっています。ハラールやハラームは食に限られたことではなく、ムスリムの生活全般に当てはめることができる概念です。

ちなみにハラールかハラームか明確に判断できないものをシュブハ(「疑わしいもの」の意)と言い、ここには発酵過程で自然にアルコールが発生する調味料などが含まれます。

ハラール認証について

ムスリムの消費者が安心して商品を選択できるように、1970年頃からマレーシアで始まったのがハラール認証の取り組み。「農場からフォークまで」と言われるように、原料はもちろんのこと加工方法や包装などすべての工程においてハラール認証機関が監査しているそう。

現時点でハラール認証の国際的な基準は定められておらず、何をハラールとするかの解釈には認証機関によって違いが見られます。また、認証機関の設立は基本的に自由で、日本においても特別な申請や許可無しで設立できるのが現状です。

こうした状況の中、虚偽のラベルが貼られた製品やハラールを謳うハラームな飲食店などの存在が報告されています。一方で、個人の信仰に関わるデリケートな問題でもあるため、第三者の介入が難しいのも事実です。

参考記事はこちら。

http://toyokeizai.net/articles/-/42051

ハラールエキスポジャパン2017

ハラールエキスポジャパンは日本のハラール情報を発信するハラールメディアジャパンなどを運営会社フードダイバーシティが2014年から開始した試みです。

今年は都立産業貿易センター台東館4・5階で11月21〜23日の3日間にわたって開催されました。

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簡単な当日登録を済ませて、いざ入場!

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4階はハラールネイルやムスリマ(ムスリムの女性)が身につけるヒジャブの販売、モデストファッションショーなど女性向けのブースが中心。ハラールフードの販売・試食は主に5階で行っているということで、上階へ。

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祝日ともあってかなりの盛況です(写真ブレッブレ…)。

会場では日本在住のムスリムのほか、ムスリムを対象にした事業を手がけるビジネスマンの姿も見受けられました。それもそのはず。ハラールエキスポは事業者同士の情報交換の場を提供することを開催目的の1つに掲げていて、商談会やビジネスマッチングも行っているのです。

日本政府観光局(JNTO)によると、2017年10月の訪日外客数は259万5000人。そのうち1割強が東南アジアからの訪日です。マレーシア(人口の6割がムスリム)からの外客数は前年同月比7.4%増、インドネシア(人口の9割がムスリム)は16.5%増というデータもあり、観光業従事者にとってムスリム対応はビジネスチャンスになりうると考えられています。

大手外食チェーン・食品会社

ブース出展企業の中には誰もが知っているような有名企業も。CoCo壱番屋は今年9月、ハラールに特化した秋葉原店をオープン。

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店舗で提供されるすべてのメニューがハラールだそう。チキンカツカレーにチキンキーマカレー、シーフードカレーなど種類も結構豊富です。

今回は牛しゃぶカレーを試食。

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あっさりめのルーは普段食べるものと大差なく、美味しくいただきました。

ロイヤルホールディングスのブースではハラールのお弁当やパンが展示されていましたよ。

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先日オープンしたキャッシュレスのレストランといいハラールミールといい、時代の変化に合わせた柔軟性が印象的です。

【ロイヤルホールディングスが展開するキャッシュレスレストランの記事はこちら:完全キャッシュレスのレストラン体験。馬喰町・GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング・テーブル・パントリー)でイタリアンディナー

時間がなくて回りきれませんでしたが、エスビーやニチレイフーズも出展していました。

スーパー・百貨店

つづいて業務スーパーのブースではハラールビーフを試食。

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昨年までは鶏肉のみの販売でしたが、今年から牛肉もハラール認証を取得したんだとか。

他にもスナック菓子や調味料などハラール商品の取り扱いは200以上

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日本で暮らすムスリムも日常的に利用しやすいですね。

伊勢丹は新宿店限定でハラール・フード・セレクションと題し、ハラールのお歳暮を販売中。和牛を使ったハンバーグやカレーなど、上質なハラールグルメが楽しめます。

飲食店・地方自治体

有楽町駅そばの好立地にお店を構えるのが天丼専門店いつき。メニューはすべてムスリムフレンドリーです。

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こちらでもちゃっかり試食をいただきました。

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さっくり揚がった天ぷらは重すぎず美味しい。お店で出している天丼は1000〜1500円程度で、ディナーでもメニューは変わらないそう。

大阪の日本食レストランでは、たこ焼きの試食を行っていました。

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たこ焼きはもちろん、ソースも果物や野菜をベースにしていてムスリムでも安心して食べられる工夫がなされています。ちなみにエキスポ会場で発表されたムスリムフレンドリー都道府県ランキングで大阪は2位にランクイン。

それ以外にも北海道や鹿児島、徳島など日本全国から地域をあげて参加している団体もたくさんいました。

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鹿児島のブースで食べた黒毛和牛とポークウィンナーが美味しかった。

調味料

調味料の中にはハラームな動物由来の原料やアルコール分が含まれていることがあります。ムスリムにとっては意外な落とし穴。

京都の会社NOYAMAはアルコール0%の調味料は製造し、食のバリアフリーを目指します。

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水あめでとろみをつけたみりん風調味料には米酢で酸味をプラスしたそう。まろっとした味わいで、お水で割ったらジュースになりそうなくらい美味しかったです。

エキスポ内には東南アジアで作られた商品を販売しているブースもちらほら。フィリピンのココナッツ製品を扱うお店でオーガニックココナッツジャムを購入しました。

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瓶にはハラール認証の他にオーガニック認証とヴィーガンフレンドリーの表記が。実はハラールとベジタリアン(菜食主義)やヴィーガン(絶対菜食主義、酪農製品も食べない)は重複する点も多く、親和性が高い分野なのです。

原材料はココナッツミルクとココナッツシュガーのみ。黒糖のようなこっくりとした甘さにココナッツの風味が加わって美味しい!

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バナナに塗って食べるのがお気に入りです。

最後に

ハラールエキスポジャパン2017でハラールグルメをお腹いっぱい味わってきました。活気があって楽しいイベントだったなあ。

ムスリムの訪日観光客が増加傾向にある今、ハラールに対応していくことは国際交流や異文化理解にとどまらず、新たなビジネスの機会を生むことが分かりました。今回の会場となった浅草周辺にはハラールレストランもいくつかあるようなので、今度行ってみようと思います。